おはようございます。前夜(23日)の米国市場は主要3指数がそろって下落し、特にハイテク中心のナスダックが大きく下げました。前夜の数字と、今日の東京市場の注目点を整理します。

指数(7月23日終値) 終値 前日比
NYダウ 51,711.65 -506.93(-0.97%)
S&P500 7,408.30 -90.66(-1.21%)
ナスダック総合 25,137.70 -553.20(-2.15%)

何があった?

下落材料は大きく2つ重なりました。

1つめは原油の急騰です。紅海でサウジアラビアの石油タンカー2隻が攻撃を受けたと伝わり、中東情勢への警戒が一段と強まりました。北海ブレント原油先物は7%を超える上昇となり、約2カ月ぶりに1バレル=100ドル台に到達。米国のWTI原油先物も6.5%程度上昇し、92ドル台まで買われました。

2つめは大型テック企業の決算への反応です。グーグルの親会社アルファベットは、4〜6月期の売上高などが市場予想を上回った一方、2026年12月期の設備投資見通しを2,050億ドルへ引き上げました。AI関連投資が想定以上に膨らむとの受け止めから株価は6〜7%程度下落しています。テスラも4〜6月期の売上総利益率が前年同期から悪化し市場予想に届かず、13〜14%程度の急落となりました。

この2社の下げがナスダックの重荷となり、指数全体の下落率を押し広げた形です。一方で、防衛関連のロッキード・マーチンやRTXは、対イランを念頭に置いた米国の防衛費増額の思惑から買われました。原油高が長期金利の上昇観測につながった点も、株式の上値を抑える要因として意識されています。

今日の東京市場の注目ポイント

  • 米ハイテク安の波及 — 23日の東京市場では、アルファベットの投資増額を「AI関連の需要拡大」と前向きに受け止め、日経平均は307円高の66,422円60銭と反発していました。ところがその後の米国市場では、同じ材料が「投資負担の重さ」として売られています。同じニュースの評価が一晩で入れ替わった形で、日本のAI・半導体関連株がどちらの解釈を採るかが焦点になりそうです。
  • 原油高の影響が業種で分かれる — 原油高は資源・エネルギー関連には追い風となる一方、燃料や原材料のコストが重い運輸・電力・素材などには逆風になりやすい材料です。指数の動きだけでなく、業種ごとの温度差にも目を向けたいところです。
  • 為替は円安水準が継続 — ドル円は1ドル=163円台で推移し、1986年12月以来、約40年ぶりの円安・ドル高水準にあります。輸出関連には支えとなる一方、原油高と円安が重なると輸入コストの負担は膨らみます。

ひとこと解説

原油の代表的な指標にはWTIブレントの2つがあります。WTIは米国産の原油、ブレントは北海産の原油を基準にした価格で、欧州やアジアの取引ではブレントが目安にされることが多く、両者には数ドル程度の差がつくのが一般的です。

原油高がなぜ株式市場の重荷になるかというと、燃料や輸送のコストが上がって企業の利益が圧迫されやすいことに加え、物価全体を押し上げてしまうためです。物価が上がりやすい局面では中央銀行が金融を引き締める(=金利を上げる)方向に傾きやすく、金利上昇は株式の評価にとって向かい風になります。原油と株が逆方向に動く場面が目立つのは、こうした経路があるためです。


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