おはようございます。先週末24日の米国市場は、NYダウが3日ぶりに反発した一方でナスダック総合は3日続落と、指数によって方向が分かれる展開になりました。週明けの東京市場を前に、週末の数字と今週の注目点を整理します。

指数(7月24日終値) 終値 前日比
NYダウ 51,947.25 +235.60(+0.46%)
S&P500 7,411.98 +3.68(+0.05%)
ナスダック総合 24,975.82 -161.87(-0.64%)
その他の指標(同日) 数値
WTI原油先物 89.31ドル(-2.88ドル)
米10年債利回り 4.686%(-0.006)
シカゴ日経平均先物(円建て) 64,395円(-165)

何があった?

方向を分けたのは、原油ハイテク株という2つの流れです。

反発側の材料は原油の反落でした。米国とイランの停戦交渉が再開されるとの期待が伝わり、前日まで急騰していた原油に売りが出ています。WTI原油先物は92.19ドルから89.31ドルへ下落し、北海ブレント原油も4%程度下げて1バレル=96ドルを下回りました。インフレへの警戒がいくぶん和らいだことで、ダウ平均は一時400ドル近く上げる場面もありました。米国の7月総合PMI速報値が約8カ月ぶりの高い伸びとなり、6月の新築住宅販売件数も市場予想を上回るなど、景気指標が底堅かったことも支えとなりました。

一方で下げ止まらなかったのが半導体・ハイテク株です。インテルは4〜6月期決算が市場予想を上回ったものの、「AI需要による恩恵はすでに株価に織り込まれている」との受け止めから8%を超える下落となりました。エヌビディアなど他の半導体株にも売りが波及し、ナスダックは3日続落。ダウの構成銘柄でも、アメリカン・エキスプレスが売上高の未達と見通しを嫌気されて軟調でした。週間で見ると3指数はそろって下落し、ナスダックは5営業日で2%程度下げています。

もう一つ、通商面の動きもありました。24日、米国は通商法301条に基づく新たな関税を発動しています。強制労働で生産された製品の輸入禁止措置が不十分だとして、上位60の貿易相手に10%または12.5%の税率を課すもので、米国の輸入額の99.4%が対象になるとされます(USMCAの無税品目などは除外)。これは2月の最高裁判決を受けて暫定的に敷かれていた通商法122条に基づく一律10%関税(24日に期限切れ)を置き換える形です。各国は根拠に反発しつつも、多くが報復ではなく交渉継続の姿勢を示しています。

今日の東京市場の注目ポイント

  • 手がかりの乏しいスタート — 日経平均は先週末24日に1,811円安の64,611円15銭で引けています。シカゴ日経平均先物(円建て)は64,395円と、東京の終値をやや下回る水準で戻ってきました。米国市場も指数ごとに方向が分かれており、明確な方向感が出にくい週明けとなりそうです。
  • 今週は日米の金融政策が重なる — 米FOMCは28〜29日に開かれ、29日に結果が判明します。日銀の金融政策決定会合は30〜31日で、31日には「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」も公表される予定です。加えてマイクロソフト、メタ、アップル、アマゾンなど米ハイテク大手の決算が週の半ば以降に集中します。週前半は様子見が入りやすい日程です。
  • 円安と介入警戒 — ドル円は先週末に163円98銭近辺まで上昇し、約40年ぶりの円安水準で164円台が視野に入っています。原油高や底堅い米経済指標が円安方向に働く一方、当局による円買い介入への警戒感も高まっており、為替は上下双方向に振れやすい状態です。

ひとこと解説

同じ米国株なのに、なぜダウとナスダックが逆方向に動くことがあるのでしょうか。答えは指数の中身と計算方法の違いにあります。

NYダウ(ダウ工業株30種平均)は、米国を代表する30社だけで構成される指数です。金融・小売・ヘルスケアなど幅広い業種が入り、しかも「株価の平均」で計算されるため、株価水準の高い銘柄の影響が大きくなります。対するナスダック総合指数は、ナスダック市場に上場する数千の銘柄が対象で、ハイテク企業の比率が高く、時価総額の大きい銘柄ほど影響が大きくなる仕組みです。

そのため、24日のように「地政学リスクの後退で景気敏感株や金融株が買われ、同時に半導体株が売られる」という日には、ダウはプラス、ナスダックはマイナスという分かれ方が起こります。指数が下がった・上がったという一言だけでなく、どの指数がどんな理由で動いたのかを見ると、その日の相場で何が起きていたのかがつかみやすくなります。


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